前回は10度のアルペジオを紹介したが、他の弾き方もしてみよう。
右手でメロディーと和音を同時に弾く形だ。トップの音をメロディーにして、その下にコードトーンを重ねる。コードトーンは右手で収まる範囲で弾く音を選択する必要がある。優先順位は3>7>テンション(♯5、♭5、6を含む)>5>1が基本だ。左手は10度が届かないとしても7度をカバーすることはできるので1,7と弾いてもよいだろう。
オクターブ間で同じ音が被らないようにうまく分散すると良い。例えば以下はドの音を3箇所で弾いているのでドがかなり協調されてしまう。これを問題視するなら右手のドの音を外すのは選択肢として上がるだろう。もちろんドの音をことさら強調した響きが欲しい場合はこの限りではない。
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10度のアルペジオは3度の出現がワンテンポ遅くなる特徴がある。これはコードチェンジが速い部分で弱点になる事がある。コードを弾く上で3度の音を弾かないのは強い理由がない限り避けたい。基本的にはなるべく早く、できる事ならコードが変わった瞬間に3度の音(次点で7度)を弾いておきたい。10度を片手でいっぺんに弾けないという前提なので、これは右手で3度を弾くことでカバーする。例えば以下のような部分はアルペジオで弾くのは難しいが、右手で補えば速いコードチェンジにも綺麗に対応できる。
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右手でコードトーン(特に3度)を弾くと、左手はアルペジオの責務から開放されて自由になれる。以下のようにベースラインを変化させることも可能だ。