直訳すると経過的なディミニッシュ。隣のコードに全音で進行する時に中間の半音の進行をはさみ、かつディミニッシュコードであるものを指します。

上行系のパッシングディミニッシュ

I > # I dim > II m

# I dim のディミニッシュスケールは VI 7 コンビネーションオブディミニッシュと同じ構成音になります。ディミニッシュスケールやコンビネーションオブディミニッシュは様々な解釈ができますが、ここでは VI 7 の代理としてのドミナント進行に着目します。 # I dim > II m は II m に対するドミナント進行として解釈するとフレーズやボイシングの大きなヒントになるかと思います。

Cキーの場合で C > C#dim > Dm と進行する場面を想定した場合、 # I dim である C#ディミニッシュスケールと VI 7 である A7コンビネーションオブディミニッシュの2つのスケールは構成音が同じことがわかります。

  • C# ディミニッシュスケールの構成音
    • C-sharp-diminish-scale.png
  • A コンビネーションオブディミニッシュの構成音
    • wrap

フレーズ例

よって C# dim は A7 のつもりでフレーズを作ると馴染むだろうと予測できます。

ex2.png

ex1.png

II > # II dim > III m

# II dim は VII 7 コンビネーションオブディミニッシュと同じ構成音になることに着目して VII 7 の代理として解釈し # II dim > III m も III m に対するドミナント進行と扱います。

IV > # IV dim > V 7

# IV dim は II 7 コンビネーションオブディミニッシュと同じ構成音になることに着目して II 7 の代理として解釈し # IV dim > V 7 も V7 に対するドミナント進行と扱います。II 7 > V 7 は V 7 に対してドミナント進行をしているので特にダブルドミナントと呼ばれることもあります。

フレーズ例

wrap

wrap

V > # V dim > VI

# V dim は III 7 コンビネーションオブディミニッシュと同じ構成音になります。III 7 の代理と見て良いでしょう。よって # V dim > VI m も VI m に対するドミナント進行です。


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Last-modified: 2018-11-26 (月) 10:23:08 (1976d)