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D/2010-08-06

Cメロ譜の弾き方(1)

メロディーとコードだけ書いてある譜面をCメロ譜と呼ぶことがある。物理的に書く量が少なく済むので書きやすく、コードも書いておけばほとんどの意図が伝わる利点があり、ボーカリストが伴奏者に渡したり、バンドの譜面なんかで良く使われる汎用性の高い形式だ。そのかわり行間や意図を読まなければならないので、慣れないとどう弾いていいかわからないという欠点もある。Cメロ譜と言ってもC調という意味ではなく、「コンサートキーですよ」の意味合いが強い。今回は伴奏(メロディーを弾かない形式)やバンド(ベースもメロディーも弾かない形式)ではなく、Cメロ譜をピアノだけで弾いてみよう!

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ポップスっぽい曲。Cメロ譜だとだいたいこの程度の情報量が普通だ。今回ベースが居ないのでベース音もピアノで弾く。教科書通りコードを弾いてみると以下のようになる。

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立派にコード通り弾けた。左手はコードトーンの1,3,5を忠実に弾いた。これだけでも要件を満たしている。ただ、いくつか不満点があって、一番の不満は実際に弾いてみるとすぐわかるが、下の和音が濁る。低い音が濁る限界をローインターバルリミットと呼んだりして、厳密にリミットの定義は無いんだけど1小節目のド、ミは一般的には限界を超えていると言えるだろう。左手パートをまるまるオクターブ上げてもいいけど、そうすると今度はベース感が薄れてしまう。意図して濁った和音が欲しいならこの譜面通りでもいいんだけど、ピアノならもっと綺麗に響かせられるはずだ。こういう時は3度の音をオクターブ上にして10度にして、下から、ド、ソ、ミにする。10度だとほとんどの人は片手で弾けないので、分散和音にして弾くのだ。

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メロディーとかぶらないように、ベース音はオクターブ下げた。さっきより低い音を使っているけど十分分散しているので濁りはないだろう。ポップスっぽい曲ならこの10度のアルペジオだけでもそこそこのクオリティーで弾くことができ、汎用性が高い。コードから実音に変換するにはある程度別の慣れが必要だけど、Cメロ譜どう弾けばいいかわからないという方は「とりあえず10度でアルペジオ」おすすめです。結構いけるよ。

D/2010-08-08

Cメロ譜の弾き方(2)

前回は10度のアルペジオを紹介したが、別の弾き方もしてみよう。

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右手でメロディーと共に和音も弾く形だ。トップの音をメロディーにして、その下にコードトーンを重ねる。コードトーンは今のところ単純なのでそれほど悩まないが、右手で収まる範囲で弾く音を選択する必要が出てくる。基本的な優先順位は3>7>テンション(♯5、♭5、6を含む)>5>1が自然だ。左手は10度が届かないとしても7をカバーすることはできるので1,7と弾いてもよいだろう。両手で弾く音は同じ音が被らないようにうまく分散すると良い。例えば以下はドの音を3箇所で弾いているのでかなり協調されてしまう。これを問題視するなら右手のドの音を外すのは響きもそんなに変わらないので選択肢として上がるだろう。

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左手で10度のアルペジオをする場合の欠点として、コードが変わった瞬間に3度の音が現れない可能性がある。コードを弾く上で3度の音を弾かないのはかなりアグレッシブな試みだと思って良いので、通常はなるべく早く、できる事ならコードが変わった瞬間に3度の音(できることなら7度も)は弾いておきたい。10度を片手でいっぺんに弾けない(弾ける人もいるけど)以上、この問題を解決するには右手で3度を弾くしか無いのだ。例えば以下のような部分はアルペジオで弾くのは難しい。

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右手でコードトーン(特に3度)を弾くのであれば、左手はアルペジオの責務から開放されるので自由になれる。この曲には合わないけれど、例えば以下のようなベースラインも可能になる。

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D/2010-08-18

Cメロ譜の弾き方(3)

Cメロ譜はガイドとしてコードが書いてあるが、コードはすべてを語っていない場合がある。これは書き手にもよるが、Cメロ譜を弾く場合、どういう意図でそのコードが書かれているかを読み取る必要がある場合がある(ない場合もある)。これは一概にこう書いてあったらこう弾けというのはなかなか無いのだが、うまい人ほどコードの変え方や音の使い方がすばらしい。実際にはカッコいいテンションを入れて弾いたり、コード自体を変えたりするのだが、なんでもかんでもテンション入れてコード変えればいいかと言うと、そうでもないんだけど、曲調やTPOをわきまえながらカッコいいコードに変えていければ素敵な演奏になるだろう。実際にどういう場面にどういうコードにしたらカッコいいのか、という部分はリハーモナイズと呼ばれていて、僕も詳しくはわからない部分が多くてリハーモナイズは苦手なんだけど、いろんな音源を聞きながら日々研究中だよ。今回はテンションについて紹介してみるよ!

I、IVあたりにテンション入れる

ダイアトニックスケール内のテンションは大抵の場合自然に響くので使える場面が多い。

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メロディーが1度の時にM7は濁る場合があるが、気にならない場合もあるので弾いてみて耳で判断してみるのが良いと思う。メロティーが1度の時は6thも良く響くと思う。

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IIm, IIImらへんの場合

IIm、C調でいうDmは9thを入れても自然にかっこよく響く場合が多い。

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IIIm、C調でいうEmはダイアトニックスケール上ではフリジアというスケールになり、9thを持っていない。これを割と無理を言って9thを入れると、スケールにはドリアになり、一時的に転調したような響きになる。使える場所は限られてくるけど、こんな風にノンダイアトニックスケールを使ってカッコよく響く場所もある。

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ドミナントにテンション入れる

ドミナントではいくつか変化のパターンがあって、13thをもつコードはメジャートニックを予感させる。マイナーニックに解決する場合は♭13thを含むコードにしておくと普通にかっこいい感じになる。♭13thを含むコードからメジャーとニックに解決しても違和感なくかっこいい感じになる。

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Cメジャーに解決するG7に♭9thと13thを入れてコンビネーションオブディミニッシュ(♭9、♯9、♯11、13)にした。G7の13thの音(ミ)がCの3度(ミ)と同じ音になっている。これにより、G7自体がCメジャーへの解決を予感させる。

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Cメジャーに解決するG7に♭9thと♭13thを入れてハーモニックマイナーパーフェクトフィフスビロウ(♭9、♭13)にした。コンビネーションオブディミニッシュの例で行くと、G7の♭13thの音(ミ♭)はCmの3度(ミ♭)と同じ音程になっているのでCmへの解決を予感させると思いきや、Cメジャーに解決しても何ら違和感は無い。カッコよく響く。

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Cマイナーに解決するG7に♭9thと♭13thを入れてハーモニックマイナーパーフェクトフィフスビロウ(♭9、♭13)にしてCmに解決した。G7の♭13thの音(ミ♭)はCmの3度(ミ♭)と同じ音程になっていて、解決感も違和感は無い。

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Cマイナーに解決するG7に♭9thと13thを入れてコンビネーションオブディミニッシュにした。G7の13thの音(ミ)がCの3度(ミ)と同じ音になっているが、Cメジャーに解決せずにCmに解決している。解決感には独特の浮遊感があり、この違和感を好む作曲家もいるにはいるが特殊な響きではある。マイナーで解決する場合は13thを含まない方が自然に聞こえる。

こんな風にダイアトニックや、時にノンダイアトニックスケールに変えてかっこよくすることができる。重要なのは理論よりも、実際弾いてみてそれがカッコよく響いているかどうか、耳での判断だと思う。また、その響きが一般的なのか、もしくは一般的じゃないんだけどあえてそこでその響きが欲しいのか、などの判断ができるとよりカッコよく響かせられると思う。

D/2010-08-24

Cメロ譜の弾き方(4)

Cメロ譜は必要最低限のコードしか書かないものも多い。そういう譜面は「こう書いておけばこんな風に補完して弾いてくれるよね」的な期待を持って書かれていることも多いので、不完全なところを補完してみるよ。

ドミナントを補完

フレーズのつなぎ目(AメロからBメロに入るところ等)にドミナントが来ることはよくあって、曲調にもよるけど、この辺は割と変えて弾くことも多い。例えば以下のような部分で、Aメロの終わり際(15小節目)で次A'に入るような部分(16小節目からA')。

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A'のメロディーも遅れて入ってくるのでこんな風に弾いてみた。↓G7で1小節使っていたところをDm、G7にして、テンションとカウンターメロディも入れた。

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↓もうちょっとアグレッシブに。

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メロディーのつなぎ目のドミナントを2−5(ツーファイブ)するのはとても自然に繋がることが多く、汎用的に使える。これはマイナーでも同じで、やっぱり汎用的に使える。あわよくば6−2−5、もしくは3−6−2−5と繋げるのも自然な感じでかっこよくなる。でも確実にどんな時にも使えるかというとそうじゃないときもあるので最終的には耳と感で判断しよう。

ずーっと同じコードの部分

たとえばこういう譜面はどう弾けばいいだろう。

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こういう曲はコードを省略してあるわけでなく、意図通りずっと同じコードの事も多い。ソロピアノで弾く場合、ずーっと同じコードで単調にならずに弾くのは結構困るので、コードを変えてしまうとかっこよくなるし、弾きやすくなる。

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↑ずっとCの所をC、A、Dm、Gにした。度数で表すと1,6,2,5になる。この進行を「循環コード」や「循環」と呼び、ずーっと1度の部分に当てはめて使える割とメジャーでお手軽な編曲方法だ。この曲の使い方だと2小節で循環している事になる。マイナーの曲でも同じように1,(♭)6,2,5で循環して使うことができる。3小節目のEm7(b5)は1度(C)の代理で、3〜4小節で3−6−2−5と繋げてみた。7小節目のAm7はここだけマイナーだが、これはメロディーを考慮した結果マイナーをチョイスした。A7にしてしまうとド→シのメロディーにかなり違和感が出てしまう。コード的にはA7の方がかっこいいけど、こういう判断も大事だと思う。もしくはメロディーを変えるのも手だけど、これはもっと大胆なアレンジの部類になってくると思う。

ディキシーっぽい曲にもこういう曲は多い。ディキシーっぽい曲だとストライドで弾くと同じコードでもそれっぽくなる。

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Last-modified: 2010-09-29 (水) 06:07:18 (2465d)