メロディーとコードだけ書いてある譜面をCメロ譜といいます。書く量が少なく済み、ほとんどの意図が伝わる利点がある汎用性の高い形式です。そのかわり演奏時には省略されている部分を復元する必要があります。今回はCメロ譜をピアノで弾いてみよう!
例としてポップスっぽい曲をあげてみましょう。Cメロ譜だとだいたいこの程度の情報量になります。正直にコードを弾いてみると以下のようになるでしょう。
左手はコードトーンの1,3,5を忠実に弾き要件を満たしました。しかし実際に弾いてみると下の和音が濁ってしまうことに気がつくでしょう。低い音が濁る下限をローインターバルリミットと名前までつけられた現象があり、1小節目のド、ミは限界を越えていると言えるでしょう。では濁らないように左手パートをまるまる1オクターブ上げてみると、今度はベース感が薄れてしまいます。
ベース感を出し、かつ濁らないように弾くにはどうしたらいいだろう。
正解はド、ミ、ソの部分の3度の音をオクターブ上げて10度にし、ド、ソ、ミにします。これで前述ので2つの条件を満たすことができます。しかしこれは問題があり、ドからミの10度はほとんどの人は片手で弾けないのです。そこで、ドソミの10度和音は分散和音にします。(片手で10度が弾ける方はおめでとう、あなたはその天賦の才能を持ってこの解説の前半をまるまる飛ばすことができます)
メロディーとかぶらないように、ベース音はオクターブ下げました。初回よりもさらに低い音を使っているにもかかわらず和音の濁りもありません。