引き続きポップスっぽいサンプル曲の、今日はサビ部分を弾いてみるよ。
17 - 20小節目 †
↓Bメロ最初の4小節。シンプルだけど、小賢しい小技を散りばめて弾いてみた。
17小節目、もともとFの指定の所をG/Fにした。これはメロディーがシの音から始まってラに解決するところを見て、ベースはFのまま、上声部でG→Fと進行するようにしてみた。G/Fというのは表記上 FM7(9,#11) と全く同じだ。どちらもリディアスケール(Lydia)の世界ですという意味になる。
18小節目、D/F#はオンコードだ。表記上 D on F# と書いてあっても同じ意味。響きは F#dim にも近い。スケールは F#ディミニッシュスケールになる。D7(♭9,13) という見方もあるかもしれなくて、これだとスケールはDコンビネーションディミニッシュで良くて、こっちでも F#dim と響きもだいたい同じ。(DコンビネーションオブディミニッシュとF#ディミニッシュスケールは全く同じ音列)

19小節目、もともとEm7(Phrygia)だった所を Em7(9)(Doria)にした。注意するのは、Em7(9)(Doria)にしたことでノンダイアトニックコードになっている点だ。なんとなく9thを付けたのではなく、覚悟を持って9thを付けた。ここではアウトさせた9th(ファ#の音)はきちんと3rd(ソの音)に解決させている。ここではメロディーがたまたまラ→ソになっているのもDoriaの採用を後押しした。次の20小節目がA7、その次の21小節目がDmと、19〜21小節目にかけてマイナーツーファイブできる流れになっている。この流れならこのEmをDoriaにすることはある程度自然に響くだろうとも判断した。
マイナーツーファイブを見据えれば、この Em7 を Em7(b5) にしてみるのは検討の価値があるだろう。
20小節目は普通に手癖のごとく♭9thが入った。この音列から判断すると、ここのスケール候補はHMP5に限定される。
21 - 24小節目 †
21小節目、このDmはもともとDoriaなので9thを入れることは抵抗が無い。トップのソの音も入れると、9, 11 の響きになっている。これはこれで綺麗になった。A♭7はダブルドミナント(またの名をドッペルドミナント)としての裏コードだ。スケールはホールトーン。次の小節がG7なので、A♭→G とドミナントで半音進行している。
22小節目、普通のドミナント。4拍目の♮ラは♭ラでもよい。
23~24小節目。もともとは2小節間Cの指定だった。この次の25小節目がBm7-5と、変なところに行っており、手前の24小節目をドミナントに変えるのも気が進まなかったので、Cをベースに少し変化を付ける方向でこのようにした。24小節目は Em7 の響きだが表記上 CM7/E にした。どっちでも音は同じなんだけど、EmのIIIの機能というよりはIの機能を主張したかったので表記上はこうした。この2小節はメロディーも空いており編曲と相性がよさそうだ。
次回は仕込み満載のサビ最後の4小節を弾いてみるよ。