鍵と法典と鱗のお話 †
晴れ。風が心地よい。夕方からの冷たい風にあたって案の定お腹を壊した。弱いなあ。今日は一日プログラミングしていた。
夕方Gさんに調とコードとスケールの関係を詳しく教えてくれと言われたけど、うまく説明できてなかった気がするので、ゆっくり考えながらまとめてみた。といっても今更こんな零細サイトの解説なんかよりWikipedia読めばその通りなんだ。調(key)は、その曲は12音の内どの音を基音とするかという指示。調性は長調(Major)と短調(minor)の2種類のバリエーション(tonality)があり、12音階で構成する以上これらの組み合わせは調12種類x調性2種類の24種類のみ。例えばラの音を基調にした長調はイ長調であり、A Majorだ。イ長調とA Majorの違いは林檎とApple程度の、呼び方が違うだけで全く同じものだ。12音中にはシャープやフラットのついた音もあり、それらを基調にすることも勿論ある。例えばF# minorは嬰ヘ短調と呼び、E♭ Majorは変ホ長調と呼ぶ。なぜ12音しか無いのに24バリエーション使えるのかというと、長調と短調は、同じ音列を使っているものがそれぞれ対になって存在する。この関係を平行調と呼ぶが、例えばハ長調のドレミファソラシドはイ短調のラシドレミファソラと同じ音列を使っている。ひとつの自然音階はひとつの長調とひとつの短調を表現できる。
コード(code)は曲中のある瞬間の和音の状態を表す。一般的な曲(なにそれ?逆説?)は大抵コードで説明することが出来る。E と書かれていたら、その瞬間「ミ #ソ シ」で調和したいという編曲者の意図だ。コードにはEm(イーマイナー), E7(イーセブン), Em7-5(イーマイナーセブンフラットファイブ)など、構成音を足したり微妙に変化させたりする指定方法があり、それぞれ独特の響きを持っている。編曲者は、違和感なく自然に響くコードや、ややアグレッシブにカッコよく響くコードなどを選択肢として利用することができる。(必ずしもコードを決めてからメロディーを作るというわけでもない)。ショパンの譜面にはコードが書いて無いので、コードという概念が無いのかというと、そういうわけではなく、たまたまコード表記が当時一般的でなかっただけで、ショパンの曲もモーツアルトの曲もバッハの曲も大抵ちゃんとコードを持っている(というかコードで説明することができるし、できない部分もある)。
スケールは音階の意味だ。コードは和音で、調和する音のみを指定するが、スケールはコード内の隙間の音を補完して6音〜8音の音階を成す。この考えは作編曲の時に有効で、既成曲を譜面通り演奏する場合、意識しなくても問題ない事がほとんどだ。C Majorキーの曲中「G7」とだけ書かれた部分があったとき、その譜面の編曲者はG7のソ シ レ ファの4音は指定しているが隙間の音まで指定してくれていない。この部分にカウンターメロディーを入れたい、譜面通りだとカッコ悪いからもうちょっとカッコいいラインにしたい、などと思ったときにはじめてスケールが役に立つ。じゃあどうやってコードからスケールを求めるんだという話になると余白が足りないので機会があれば書いてみたいと思う。
簡単にわかりやすく書こうと思ったのにやっぱりわかりにくくなっちまった。Gさん説明力不足ですんませんということで是非Wikipediaご覧になってください。