セッションリーダーの葛藤

珍しく音楽ネタです。セッションリーダーをやる上で思うことです。

ハウスバンドはおもてなし役

最近セッションリーダーをやらせてもらう機会が増えました。僕がセッションを仕切る場合は以下のポリシーに従っています。

  1. お客さんは基本的に演奏したがっていると見なす。
  2. ハウスバンドはおもてなし役。

1に関しては奥ゆかしき日本人の特徴上、表面的には「いえいえ、あなたがやってください。私は見てますから」なんて言ってくれるお客さんが多いですが、楽器をたしなむ人がセッションに来ている以上演奏したくてやってくるに違いない、と確信しています。

2に関しては、まかりなりにも出演料をいただいている以上、チャージを払って来てくれているお客さんとハウスバンドを同列に扱うわけには行きません。ハウスバンドのメンバーは結果的にその日1回も弾かなくてもかまわないと思っています。

究極的に1、2を踏まえると開始から終了までお客さんのみで構成し、ひたすら演奏し続ける事が理想になります。実際、僕はこの形が理想だと思っています。

じゃあハウスバンドいらないじゃん。

僕の考える、ハウスバンドの役割は以下です。

  1. お客さんのみで構成した場合に欠けるパートを補う。
  2. 演奏をまとめる。
  3. 楽器を用意する。
  4. お客さんが出来ない曲があればサポートする。
  5. 上級の演奏でおもてなしする。

1はよくあるパターンとして、お客さんの中でピアニストがいない場合、基本的にハウスのピアニストが弾きっぱなしになります。

2はジャズの特性上、演奏中に曲の構成を指示する指揮者的役割が必要になってきます。全楽器初心者で構成してしまうとイントロの出し方、ソロの回し方、フォーバースをどうするか、エンディングをどうするか、等の判断に高難易度を要求され、演奏を楽しんでもらえなくなる恐れがあります。ですからセッションリーダーはなるべく早めに個々の技量を判断し、全楽器初心者での構成を避け、どこかのパートにハウスバンドメンバーを入れるように心がけます。この辺はNardisのセッションで勉強しました。

3はセッション開始時間前までに各楽器を用意セッティングしておくことです。

4は例えばピアニストのお客さんが、次にやる曲を弾ける自信が無い等の時にハウスバンドメンバーが交代して演奏します。ボーカル曲をやる場合や難易度の高めの曲をやるときにもハウスバンドで演奏します。仮にハウスバンドメンバーでも手のつけられない様な難曲でも引き受けます。恥を肩代わりするのもハウスバンドの役割です。

5は基本的に集まるお客さんより上級者で構成されている(はずの)ハウスバンドに混ざって演奏してもらうことで、上級の演奏に触れてもらいます。上級者の人と共演すると腕が上がります。個人的には、僕がお客さんとしてどこかのセッションに遊びに行く場合、これは十分に期待しています。

で、何が言いたいのかっていうと

かなり理想を高く掲げちゃってるかもしれないのですが、僕がセッションリーダーをやる場合にはこのポリシーで進行したいのです。僕がセッションリーダーをやると、ハウスバンドにはなかなか出番がまわってきませんが、それは何も意地悪している訳では無いのです。おもてなし役のハウスバンドはそもそも演奏者リストのローテーションに組み込んでいません。

なんてところが僕の考えるStrictな部分なのですが、ハウスバンドもおいしい仕事とは言えない時代になってきている事もあり、こんなポリシーばかり先行してたらハウスバンドやる人がいなくなっちゃうよね。やっぱりハウスバンドメンバーも含めて全員が楽しめるように構成した方が良いのだろうか?それはそれでお客さんからしてみれば「ハウスが演奏するくらいなら俺に弾かせてくれよ」なんて思われちゃうだろうし(しかし決して口には出さないので尚更やきもき勘ぐっちゃうわ)。

インターバル(休憩時間)についても思うところがあります。ハウスによって休憩時間が全くなかったり、やたらと長い休憩時間があったりまちまちです。僕自身は前述したように弾きっぱなしで良いと考えているので休憩時間は全く無しが理想です。だいたい、お客さんだけで全パート揃ってる状態(ドラム、ベース、ピアノに各2人ずつ居る)でも取る休憩って誰のための休憩なの?と思います。休憩なんてしてないで早く演奏しようよ、と思います。ベーシストのお客さんが来なくてぶっ続けで弾きっぱなしのハウスバンドベーシストなんてよくある構図ですが、こういう場合の休憩はうなずけます。たまにお客さんに「休憩って必要だと思いますか?」なんてアンケートしてみますけど大抵「いらないから早くやろう」と答えが返ってきます。それでもハウスの事情などで休憩時間を取らざるを得ない場合は多いです。これも悩みどころです。

非常に長くなり、結局何が言いたいのか曖昧だけど、今のところ僕の考えるセッションの理想と、僕の捉えるセッションの現実でした。僕の仕切るセッションではみんなに楽しんでもらえているだろうか・・・?



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Last-modified: 2006-05-10 (水) 04:51:24 (6559d)